去年紹介したテキサス州旗、Lone Starの石けん。シンプルに見えて実は星具材の位置が下がったり上がったり。星棒具材の位置を調整しているうちにディバイダーがずれてしまい、色の切り替え場所が変わりアンバランスになったりと結構難しい。
今度こそは!と思いつつ何度となくチャレンジしているものの、未だかつて大成功したためしがなく長年の憧れ作品なのでした。
実は星棒の具材をずっとストックしていて、早く使わなくてはと思いつつかなり経ってしまっていました。
取り出して見てみたら、年季の入った色になってる!(つまり変色してるという事)
一体いつ作ったものなのか?と調べてみたら、なんと去年の同作を作った時に、次回の具材用に作っていたものらしいと判明。
去年のテキサススターは残り物の米油を使っていて、旗の白い部分が早くに酸化したっけ。
米油はあれから買っておらず手元にないため、ボトルに半分弱残っている紅花油を使うことにしました。19年3月が期限でちょっと臭うかな?という微妙なもの。具材が少し黄色味がかっているし、もうこの際カントリー調、ってことで古ぼけた感じのものにしちゃえ、と半ばやけっぱちになりつつ、レシピを調整しました。
<具材の準備>
自作星型流し型*で作成したもの (90gでした)
*ダイソーの星クッキー型(星とハートのセット)のサイズに合わせてポリプロピレン製のファイルボックス(包装紙セットのキャリーバッグだった)をカッターで切り、屏風状の外枠を作る。(寸法通りに真っすぐ折るのに、折り目の山側にごく薄くカッターで切り込み線を入れ、定規のエッジに当てて曲げたりとちょっと苦労)両端はオーブン粘土(スカルピー)で厚めに型抜き。同様に星型で型抜きした円形のディスク(星型より大きな円形のクッキー型で抜く)を3枚作り、割れ防止にダクトテープでぐるぐる巻きにしたものを両端と間にはめる。
これは型の歪みを防ぐため。テープで貼っただけではどうしても星型が歪んで中央部が膨らみがちなので、端から端まで同じ形を維持させるために作った。
(ダクトテープの粘着剤がだんだんベタついてきてるけど、他にいい方法が思いつかない)
屏風状の外枠はマスキングテープで繋ぎ合わせて筒状にするが、その時片側に星型粘土ブロックを入れておく。(円形ディスクはクッキー型で抜いた後、これを実際にはめる場所に入れて穴を少し広げておく)
歪みがあるので、作成時に継ぎ目の部分の外枠、星型ブロック、円形ディスクに印をつける。
底部分が●、中央が△、フタ部分が○など。これで、使用時にどのパーツをどの向きではめるかが分かる。
作成時には底をラップで包んでからディスクを付け、タッパーに立たせてオーブンで加熱作成しました。室温作成なら一週間ぐらい放置でいいと思います。冷凍庫に入れて固めると外しやすいです。
先のトリちゃん具材のように、クッキー型をそのまま使って繋げる作り方もできます。
ただ、この場合は一体型でないため、継ぎ目が外れやすく、今回のように浮かせて使う場合は2日に分けて作るなど工夫しないとかなり厳しいです。青い鳥石けんのように底に置くようにするのは大丈夫だけど・・
流し込み作成、型抜き繋ぎ作成のどちらにせよ、作る時は少し多めの材料(100g)を用意します。
<型の準備>
型に作成する分量760gの水を入れて青生地の方にマーカーで印をつけておく(作成中に印があればよかったと気づいたので)
ダイソーのフォームシートでディバイダーを作り(底の角カーブに注意)星ギリギリにセット。マスキングテープで隙間を作らないように目貼りする。
ボーダー部分に物を入れてディバイダーを固定する。青生地を入れる部分に水を入れて重さを量ったら230g。(青生地の必要量、よって赤と白生地は225ぐらいづつとなる)
星型具材は両端をトリムしてぴったりサイズにしておく。短すぎると沈むので押し込んだ時につっかえ棒のように途中で止まるぐらい。写真右端のような感じ。本番はこれを少しづつ押し込む計画・・(まだやらない)
写真の色材は微量モードで1.1gですが、色が薄かったため後で足したのでレシピでは1.3gに変更↓
<苛性ソーダ液の作り方> メガネ、マスク、手袋着用
精製水(蒸留水)を使っています。いつでも同じ成分、無駄なものが入っておらず安心なので。
気にしなければ水道水でも普通に作れるし、海水で作るレシピもあるようです。
(ちなみにこちらではスチームアイロンにもこれを使わないと石灰分で穴が詰まります)
苛性ソーダはエッセンシャルデポの通販でセールの時にまとめて購入。
精製水をポリプロピレンのピッチャー型容器に量る。
苛性ソーダをディスポのカップに量る。(PET1マークでしっかりした作りのものです)
換気の良い場所(私はこのまま外に持って出ます)で作業。
水に苛性ソーダを入れる。カップをひっくり返して入れ、そのまま底にくっついて残ったものもカップの底を指で弾いて落として全部入れる。
ディスポのプラスチックスプーンで軽く混ぜる。身体を離し、顔をなるべく遠ざけて息は止めています。高温になり数秒で白い蒸気が出るので、それが最も危険!なので吸わないようにする。しばらくそのまま置く。(動物、風雨に注意)
(ディスポカップとスプーンは持って入りすぐ水洗いし乾燥させています)
<生地の作り方>
固形油脂を量り、電子レンジで数回に分けて溶かす。私はポリプロピレンのボウルを使っていいて、電子レンジで最初1分、次30秒、その次20秒などその時の量と溶け具合によって調節しています。レンジから出すたびに容器ごと揺すって混ぜ、全体の温度を均一にしてヘリ部分の高熱化を防ぎます。
別ボウルに液体油脂を量り入れ、溶けた固形油脂のボウルにヘラで綺麗に拭うようにして全て入れます。
ブレンダーのカップをなるべく空気が抜けるようにして沈め、カップを底にくっつけたままスイッチを入れて20秒程。カップから細かい泡が出て全体に散らばるのでそのまま立てておき、粗熱を取った苛性ソーダ液を全部入れます。(ブレンダーを倒さないように要注意)
ブレンダーを断続使用(短くオン・オフを繰り返す)して時々止めて手動で全体をグルグルかき混ぜたりしながら薄いトレースが出るまで数分ミックス。(持ち上げるとカップ内に再び空気が入るので水面下で)香料を入れ更に軽くブレンダーをかけて生地の完成。
<生地分け>
できた生地を色ごとに容器に分ける。青生地用230g、赤と白生地は220g弱づつに。
今回の生地は固まりにくいレシピなのでゆっくりでも大丈夫。
青生地は固めの生地にしたかったので、筒状の容器に入れ更にブレンダーをかけた。
<色生地の作成>
青生地:色材のIndigo powder を入れて混ぜる。この色材は生地に馴染みやすいので先混ぜはせず、直接入れてヘラで壁に擦りつけるようにしてよく混ぜたのですが、やっぱり先混ぜした方が楽だったかも。(先混ぜ:別容器に色材とオリーブオイル数滴であらかじめヘラですり混ぜておき、少量生地で溶いてから全体に混ぜる方法。色材がダマになるのを防ぐ)
生地ができたら少しづつ型入れ。目分量でだいたい半分ぐらいでやめて、入れた生地の上に具材を乗せて端から少しづつ押さえた。(具材をわざと斜めに入れて気泡が片側から抜けるのを期待)所定の位置にきたら水平になるように調整。残った青生地を全て入れる。
赤生地:色材のMadder root powderも直入れして同様にヘラですり混ぜてダマを無くし、均一な生地にする。青生地が固まっていればディバイダーを外して入れようと思ったが、無理そうなので詰め物とマスキングテープは外し、(ディバイダーを手で押さえながら)赤生地を全部入れた。
残りの白生地を赤生地の上に入れる。色の層を崩さないように注意。まず、少し固まっている白生地をヘラでよく混ぜて滑らかにし、糸状に少しづつ垂らすようにして赤生地の上全体に満遍なく入れた。(一部分だけに集中して入れるとそこだけ重さで生地が下がって水平なラインが崩れてしまう)目分量で青生地と同じ高さになるまで入れると生地が少し残った。
ディバイダーをそっと外した。ディバイダーについた生地を集めて残りの白生地の半分と合わせて追加の青生地を作る。今回は適当に作ったら青が多すぎたので残りをジプロックバッグに入れた。蓋をした型と一緒に鍋でスチーム作成。 型のフタは継ぎ目から蒸気が漏れて入るようなのでマスキングテープで目貼り。(生地温度のモニター用プローブの穴にも貼ってみました)
<スチーム作成の仕方>
大鍋に水を底1cmぐらい入れ、中敷を入れその上に蓋をした型を置く。鍋のフタには電子レンジ用のドームフタ(ダイソー)でぴったりのものを利用。蓋の中央にグルーガンで穴を開け、料理用温度計を差し込み、滑り止めのストリップを巻いて洗濯バサミで留めて固定。これで鍋内の温度を観察する。(左端写真:今回のものではないですが)
今回は70℃まで上げてから弱火でキープしたら62℃保温になりました。ちょっと低すぎるかなと思ったのですが、生地温度は92℃まで上がったのでそのまま続行しました。
使用した鍋や気温、フタの隙間などで保温状態が変わるので調節します。(熱くなりすぎたらフタを開けるなど)
<加熱時の生地温度データ>
フタをした型の中央(黄緑)、角部分(ステンレス)にプローブを刺し、生地温度をモニターしています。鍋温度(青)はフタの上にプローブを乗せて。
↓グラフの色は青が鍋内温度、紫が角部分、黄色が中央部分。
62℃保温で約1時間強で角部分ピーク。92℃。1時間40分で中央部分ピーク、92℃。
同時に最後まで残っていた生地上の中央部分も透明化していたので火を止めて20分ほどそのまま放置。その後鍋から出して室温で冷ます。
中央部が40℃以下になったら冷凍庫へ数時間入れて型出ししました。
型出しした石けんのヘリをピーラーで削り、包丁で7切れにカット、のはずが今回はなぜか8切れになりました・・久しぶりすぎて目測を誤った?らしい。
カットしたらそれぞれのヘリにピーラーをかけ、一つづつ流水で軽く洗って水気を切り、乾燥させて翌日スタンプ。
加熱時の生地温度が高かったのは、トレースが緩かったのと、紅花油が酸化していたからかな?と思いました。出来上がった石けんは今の所綺麗でそれなりに味のある仕上がりになったのでは・・
どのくらいで白生地部分が黄色化するか?怖いもの見たさ的なドキドキ感もあります。
今回作っていて、白い石けんの場合は上にソーダ灰がついても気にならないし、かえって好都合かも、などと思いました。アルカリキツめの石けんが酸化しにくいのは実証済みですが、ソーダ灰はどうなんだろうか?すでにマイルドになっているので関係ないかな?
オーブンクレイのまめちゃん、石けん作り編
先頃、石けん作りよりもこちらのミニチュア制作にハマっていました。
ラボっぽく安全メガネでなくフェイスシールドにしてみました。
(ペットボトルの底利用でメガネより簡単だっただけ)
奥の戸棚のオイルかごが、微妙に大きくて扉がちゃんと閉まらなくなったのが誤算。
少し心残りですが、結構上手くできたかなと自画自賛。