楽しい石けん作りラボ

ダイソーのタッパーで石けん作りをしています

作り方の基本情報・コツなど 2020版

 毎回作成の詳しい方法を書くのが面倒なので、まとめてみました。

 ★作成時にはメガネ、マスク、手袋をつけます

材料について

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精製水(蒸留水)を使っています。いつでも同じ成分、無駄なものが入っておらず安心なので。

気にしなければ水道水でも作れるし、海水で作るレシピもあるようです。

(ちなみに当地ではスチームアイロンにもこれを使わないと石灰分で穴が詰まります)

 

 

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苛性ソーダはEssential Depot の通販でセールの時にまとめて購入。使い始めは中のマイクロビーズが固まっていることがあるので少し振って塊を崩すが、静電気で飛び散りやすくなるので前もってやっておく方がよい。

湿気ると空気中の水分で炭酸ナトリウムになってしまい性能が落ちるので作業は手早く、計量したらすぐに溶液を作る。(溶液にすると保存できるがこぼすと危険なのでその都度作る方が安全です)

 

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 苛性ソーダ水溶液を作る 詳細版

 1、ピッチャータイプのポリプロピレン容器に精製水を量る

ディスポのプラ容器に苛性ソーダ(マイクロビーズタイプ)を量る

この2つとスプーンを持ち、外に出る

写真の容器はポリエチレン製*でした(#PET1マーク有り)

*乾燥した苛性ソーダを入れるのは大丈夫ですが、そこに水気が入ると高熱になるので容器が変形します

  

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 2、水容器に苛性ソーダをハネに注意し、一気に入れる

マイクロビーズの場合はほとんど水ハネはない

カップの底を指で弾いて残った粒を落とす

一気に入れるのは吸湿してカップに残るものを少なくするため

 

 

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 3、容器から顔を離すか、そむけ、息を止めながら

スプーンでかき混ぜて溶かす 

30秒程でほぼ溶ける 

投入、攪拌した溶液は一気に80℃近くになり白い蒸気を出す

↑これは絶対に吸わないようにする

その後冷めていく

 

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 4、そのまま置いて冷ます

風、動物、雨に注意

アルカリの蒸気が部屋に入らないよう、戸を閉める

 

*あくまで私のやり方です 

 

苛性ソーダ水溶液を作る 簡易版

    ・精製水を量る 

 ・苛性ソーダをディスポカップに量る

 ・換気が良い安全な場所で水にソーダを入れてスプーンで混ぜる

 ・そのまましばらく冷ます 

 ・冷えない場合は後で氷水につけて冷ます

 (その後、使用前に氷水につけた容器の外側の水気をしっかり拭き取ること)

水に入れたらそのまま置かず、熱い間にすぐ混ぜると早く溶ける

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油脂の準備 

固形油脂を溶かす

 ・容器に 全ての固形油脂を量り入れる

 ・電子レンジで溶かす 30秒ぐらい*+揺すって混ぜる** を繰り返す

 ・液の上部が熱くなりやすいのでよく混ぜる

  *量が少ない時は短くします 

   **器具に付着して減るのが嫌なので揺すり混ぜにしています 気にしない人はヘラでどうぞ

     ・ステアリン酸、ミリスチン酸、パーム核フレークは溶けにくいので気長にじっくりと

 (一気に溶かそうとレンジ時間を長くすると液面へりのボウルが溶けます)

液体油脂を足し入れる

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生地を作る
  苛性ソーダ水溶液をオイルの容器に入れ、生地を作る

 ・50℃以下にする(高すぎるとトレースが出すぎて先の工程に影響しそう)

 ・ブレンダー使用で加熱作成の場合、温度合わせは神経質にならなくても大丈夫 

 ・苛性ソーダ液は一度に全部入れる

 ・ブレンダーはスイッチを細かくオンオフして使う

 ・ピッチャーでは生地の対流が起こりにくいのでカップを上下にも動かす

 ・時々スイッチを止めて、手動で混ぜる

 ・軽めでやめる

 *使用する器具の種類によって混ざり具合が変わるので工夫してください

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苛性ソーダを入れる前にオイルのみでしばらく回して空気を抜く

生地分け

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 規定量を別容器に取り分ける

 その後の工程によってやりやすいように容器を選ぶ

 

 

 

 

色づけ 

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色材のうち、マイカ(Maica)は生地になじみやすいけれど、顔料(Pigment)は溶けにくく生地に直接入れるとダマになって残りやすいので、数滴のオリーブオイルなどでふやかして少量の生地でよく混ぜてからそれぞれの色生地用に取り分けた生地全量と合わせて混ぜる

 

スチーム作成の方法

1、大鍋で

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道具

大鍋:大きい方が温度が安定しやすい

鍋のフタ:鍋内の温度測定のため、温度計を差し込みたいので電子レンジ用ドームフタなど耐熱120℃のポリプロピレン製のものを利用しています

中央に穴を開けます(グルーガンの先で溶かしました)

温度計:フタに(100℃)を差し込み、滑り止め防止シートを巻いて洗濯バサミで固定

これで鍋内温度をモニターします

中敷:型が直に鍋底に触れると温度が高すぎて溶ける恐れがあるので、熱のあたりを和らげるのに耐熱性の何か・・カマボコ板や小さい竹ざるなどを使います

私は圧力鍋の金製中すを使っています(水に浸かるのでそんなに高温にならないはず、と)

 

鍋に水を底から1cmぐらいになるぐらい入れ、中敷を入れ、フタをした型を乗せる

フタの継ぎ目から蒸気が入る場合があるのでマスキングテープで塞ぎました

 

2、★炊飯器でスチーム作成 2020年6月〜

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 古い炊飯器があったのでそれでスチーム作成しています。

写真1〜4枚目はフタを閉めて作成、5枚目は初めてフタを開けて仮フタで作成したもの

1 水を100ml程入れる(炊飯器のサイズによるので試して調節して下さい)

2 あれば底にかまぼこ板など熱の当たりを和らげるものを敷く

 今の所、私は敷いていませんが、生地が高温になるのを避けたい場合は

 あった方がいいと思います

3 フタをした型(蒸気が漏れないように継ぎ目にマスキングテープを貼る)を入れ

4 保温スイッチを押すだけ

5 時々中をみて表面が9割程度透明になればOK スイッチを切り余熱で仕上げる

6 全体が透明なったら釜から出して室温で冷ます

7 人肌ぐらいになったら冷凍庫へ

8 数時間*(レシピによって異なる)で型出しできる

 *一晩入れると冷えすぎて石けん表面が結露する、

 レシピによっては硬くなりすぎてカットしづらい事があります。

 

おすすめの炊飯器タイプ *リサイクル品を探してみては?

・圧力がかからないシンプルなもの 加圧タイプは多分使えないような

・底が平ら、大容量のものがベター

・炊飯以外の使用になるので(蓋を開けたままで保温するなど)故障の原因になる可能性があるため、炊飯用との共用はやめた方がいいと思います。

石けんを作成する前に使用する型に生地と同じぐらいの温度の水(30℃ぐらい?)を入れ、予行練習をおすすめします。炊飯器に蒸気用の水と生地代わりのぬるま湯を入れた型を入れ保温キーを押した後、型の湯温変化をチェックしてみて下さい。フタをした状態で4時間ぐらい。最高湯温は75℃ぐらいだと思いますが機種によって違うのかも。

私はモニター温度計をつけるので 温度計の高さがあってフタが閉まらなかったりするのですが、フタを開けたまま仮フタ(電子レンジ用ドームフタ)を被せて同様に保温キーでスチーム作成をしたら、釜内部温度は最高63℃、生地温度は最高66℃で全透明化に4時間かかりました。

 *生地漏れすると炊飯器の釜が腐食(傷があれば)すると予想されるので、ポリプロピレン型、シリコン型のみ有効です。牛乳パックや木型は適していません。

 

同じレシピで作成した場合、同様の温度条件でできるはず、というアイデアなのですが、

どうでしょうか? チャレンジしてみた方、コメント いただけると嬉しいです。

 

ジプロックバッグで加熱する場合

(これも上記の炊飯器保温スチームでできます。その場合熱の上がり具合がマイルドなので容器のフタはなくても大丈夫)

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・スチーム用の容器- ポリプロピレン製- に入れる

・鍋に入れ、ドームフタにガラス温度計をセット 上部の穴に温度計を刺し容器には触れないように固定

・最初の5分は強火 75℃ぐらいになれば極弱火にする

・そのまま1時間程加熱を続ける 65℃ぐらいを保つように時々チェックする

・重なった部分は透明化するのが遅いのでなるべく平たくし、重ならないように

 写真はクリスマスカップケーキ石けん具材 加熱開始35分後、78℃ピークとなるが、中の方はまだ透明化せず

・温度調節は火を弱めるだけでなく、蓋を少しずつずらしてもOK

・中を開けて透明化具合を見てもよい(多少温度は下がるが大丈夫)

 

長モノ、大量作成はやっぱりオーブンで作っています

華氏170F(摂氏76℃)にセットして約2時間(透明化次第で短縮したり延長したり)

型、トレイはポリプロピレン製 金属の天板に乗せる時は畳んだペーパータオルやカマボコ板などを敷き、金属に直接ポリプロピレンが触れないようにしています

ジプロックバッグも高熱時に少し油分が滲み出る気がするのでトレイにペーパータオルを敷きます

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変形:クリスマスカップケーキ石けんの場合 スチーム法とオーブン法の様子

私は温度データを取るためにプローブをつけていますが、

それがなければもっと簡単にできるはず・・

炊飯器の保温スチームで作る場合、鍋と同様に蓋付の容器に入れて作成します

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加熱後の工程・・型出し、カット、ピーラー、洗浄、乾燥など

室温で数時間冷まし、粗熱を取った後(30℃台に下がれば)冷凍庫へ入れ更に数時間。

一晩入れると完全に固まっていて、固くて切りにくいため、数時間でチェックして型出ししています。一晩入れても型出ししてからしばらく置いておくとカットできます。

カット前にピーラーで上面のヘリをぐるっと角を削っています。

7切れにカットした後もそれぞれの尖っているヘリをピーラーで削っています。(好み)

削り屑はカットした面の穴に詰めて補修したりするのに使い、残ったら丸めるかそのままラップで包んで後日刻んで散らし具材にしたりしています。

ピーラー、補修が終わった石けんは、流水で一つづつ軽く表面を洗っています。

(表面の過剰オイルやソーダ灰、染み出した苛性ソーダ液などを洗い流すため)

その後、乾燥させて翌日スタンプし、更に数日〜乾燥させて完成。

プラスチック袋に包装して入れると通気が悪くなり早く痛む気がするので(ここの気候では冬以外乾燥しているため)通気性をよくして日陰の涼しい場所で保管しています

 

pHテスト

以前はカットしてすぐに行なっていましたが、近頃では水洗いして軽く乾燥させた翌日に行うことが多くなりました。

上面の中央部分が少しアルカリ高めに出ます。(pH10〜11)

 

*おまけ*
ディバイダー色々

2分割 

薄型:段ボールのホルダー付きのは両側から同時に型入れする時に

 押すと下の方が多少動くし隙間から生地がもれるので片方づつ型入れするには向かない

フォームシート:生地もれをさせたくない時

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 *ダンボールホルダーは枠型と上下に嵌めるだけの簡易型を使っています。好みで。

 しっかりディバイダーを固定できる方法を考えて下さい。

3分割

少し固めの生地にして中央に底が見えなくなる程度に入れて固める感じ 次に両側にも同様に入れ、その後それぞれに少しづつ足していく

その他

両側だけ (お月見石けんの両側障子部分)

 

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*具材作成で長ものなど鍋に入らなくて時短の加熱法ができない場合、室温放置でも4日ぐらい置いて固まったものを使う事ができます この場合は手袋をして扱って下さいね

 

作りたい柄を思いついたら、どの技法で完成させるか、アレコレ悩みながら試していくのが手作りの楽しい所だと思っています。

スウィルや流し入れよりも金太郎飴具材に惹かれる私でした。

 

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2019のSO. CAL石けん

フラミンゴはフロリダっぽいのですが・・・シリコンの氷型があんまり可愛かったので

でも棒状具材にするにはかなり大変だったので当分作る気にはならないかな