楽しい石けん作りラボ

ダイソーのタッパーで石けん作りをしています

手作り石けん 蒸して完成 レシピ別透明化データを探る その2

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鹸化が遅いと言われるオリーブオイル。でも石けん作成では一番出番の多いオイルではないでしょうか?(私はそうです)

先の「100%単一オイルで極小バッチ実験」でも透明化するのに他のオイルに比べて時間がかかっていました。一度きりのテストなのでまだあまり確実性はないですが、目安として生地全体が透明化するのにかかった時間とその時の温度をまとめました。

(ブルーの点が所要時間 赤の棒が温度 いずれも目盛りは同じ グリーンは推測で記入しています) 

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さて、そのオリーブオイルをメインに使い、ココナツオイル、ラード(またはパームオイル)を配合したレシピを使って、前回同様、透明化するまでの時間とその時の温度などを比べます。

メインのオリーブオイルを7割から5割、3割と減らしていき、その分ココナツオイル、ラード、ひまし油を足します。(キャスターオイルの有無でも比べます)

石けんの硬さを出すオイルは、私は普段はラードを使い、パームオイルはあまり使わないけれど、定番のマルセイユ石けんでは使われるようなのでラードとの差を見るため、対象用に用意します。

 

というわけで、以下の5つのレシピを考えました。(実際に似た割合のレシピも使っているので今後、何かの役にたつかも。。という目論見も)

 

★オリーブオイルの配合量別     Olive   Coconut   Palm/Lard   Castor

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レシピ1 オリーブ75% ココナツ15% パーム10% 

レシピ2 1のパームをラードに置き換える

レシピ3 オリーブ74% ココナツ14% ラード9%   キャスター3%

レシピ4    オリーブ49% ココナツ24% ラード24% キャスター3%

レシピ5 オリーブ32% ココナツ32% ラード32% キャスター4%

 

更にそれぞれのレシピでサンプルを6つづつ作り、適温、時間などを探りつつその他のアレコレもテストする、という、かなり欲張りな実験です。

 

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初回は色々手違いで手こずったけれど、回を重ねるごとに慣れていきました

加熱温度 高温:70℃  低温:60℃

添加物 香料

     ハチミツ

 

★サンプル 48gづつ ミニタッパーへ

1 PotA 高温 

2 PotA 高温 +香料 

3 PotB 低温 

4 PotB 低温 前回冷凍したサンプル

5 室温* 

6 冷凍庫へ* *どれも同じだと思うので一度だけ温度測定

香料サンプルと冷凍サンプルの加熱温度は<香料:さらに熱くなって色々起こりそう>

<冷凍:低温加熱でもちゃんと石けんになる実証>を考えて決めました。

もっとVanilla成分の多い香料もあったのですが、ビジュアル的に真っ黒で楽しくないものになりそうでこれに決定。

 

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鍋を2つ用意 高温用と低温用に分ける モニター本体はこんな感じ

 

<<<<スチーム加温の仕方>>>>

大鍋(型がゆったり入る大きさのものが望ましい)、中すかカマボコ板など型の底が鍋底やお湯に直接触れないように何かを敷く、中央の写真の鍋の蓋のようなものがあればグルーガンの先などで穴を開けてガラスの温度計を差し込めるのでは?(確かダイソーで購入したような。あとは温度計の滑り止めにゴムかシリコンの切れ端と洗濯バサミなどで固定)本番前に型に水を入れてリハーサルしてみてください。鍋に水を1cぐらいの深さに入れ、中敷を置き、水を入れて蓋をした型を乗せて加熱してみます。温度調節の練習、型の水温がどう変わるか、などをチェック。

実際の石けん生地は水と違って、途中からそれ自身が発熱し始めるので水よりも温まりやすいです。今回の実験レシピではなく、自分のレシピで行う場合は、発熱しやすい材料(アルコールはダメです、糖分、セルロース例えば人参のすりおろしなど、香料、キャスターオイルなど)は少なめに。あと、酸っぱい臭いのラードもダメです(昔それで失敗した私)熱を加える作成方法は熱暴走の危険があるので、材料の下調べをしっかり行ってからお願いします。 加熱を始めたら最初は中火、設定温度手前で弱火にし、蓋をずらして調整。 時々型の側面をチェックして透明具合をみます。全体が透明になれば火を止め、蓋をしたまま30分ほど置き自然に冷めるのを待ち、粗熱が取れたら冷凍庫に入れて数時間で型出しできます。<<<<加温の仕方は随時、情報を更新します>>>>

 

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 プローブの状態(例)

1緑 高温 鍋モニター

2青 高温 生地

3赤 高温 香料

4橙 低温 鍋モニター 

5黄 低温 生地

6紫 低温 冷凍生地 

 

温度を測るプローブ(端子)は6つしかないので、鍋の温度モニターとして、高温用と低温用の2つが常に必要です。とすると、測れるサンプルは4つ分。

初回はサンプルの5室温生地、6冷凍庫生地のモニターをするので、プローブ香料はなし。冷凍サンプルは今回凍ったものが次回のになります。

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 (どのレシピも水量と苛性ソーダ量、生地総量は同じ)


・加熱:圧力鍋(Pot A)と超大鍋(Big):用意し、温度条件通りに加熱

・測定、記録:プローブをそれぞれのサンプルに差し込む、温度画面をキャプチャー

・温度設定:70℃&60℃ーレシピ1、60℃&50℃ー残りレシピ

・香料:Vanilla oak (Vanilla 6%  多分発熱、変色する) 10滴 / 48g

・ハチミツ:1%、3%、5%(オイル総量、生地総量の2種)添加

・色材:Bramble BerryのCellini blue Micaで全ての生地を色つけ 3 *wsp / 294g (48gx6) (*勝手にwhite spoon 略してwspと呼んでいます 下記の推奨使用量は換算して自分仕様に)

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作成中の様子など

 実際にスタートしてみたら、思わぬところでプチトラブルが色々起こります。

まず、鍋の温度管理に慣れるまでのあれやこれや。早く温度を上げた方がいいのか、ゆっくり設定温度に上げていった方がいいのか。設定温度をオーバーしたら火を止めて、下がりすぎたら又つけて。フタをずらして温度を下げる、という簡単なことに気づくまで結構かかってしまいました。

フタを開けると冷めるのでモニター温度計のグラフがガタガタに。素早く中をチラ見して透明具合をチェック、すぐに戻します。

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左 初期の頃はプローブの固定が甘い スチームの様子 オーブン粘土のホルダー 結局こうなった
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50℃などの低温で加熱をした場合はいつもの角から透明化ではなく、角が一番最後という今までにないパターンの透明化でした。型の部分で一番熱くなるところからスタート、スチーム法では湯煎と同じく底部分から。熱の届きにくいところが最後で、上部の側面のヘリ、角が遅かったです。 ある程度データが集まって、大体の傾向がわかるまではこんな風ににゆっくり観察できず、もどかしかったです。

 

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写真は別々の実験のものなので透明化の様子だけ見てください

又、いつまで加熱を続けるのか、データを取るのはどこまでするか、も漠然と考えていたので、最初は行き当たりばったりでした。

 

次の問題は、プローブの固定

データをグラフにしてみたら、プローブの刺さり具合によっては、正確に温度が計れていないような。どうも型の底に触れると高めに出てしまうみたい。フタの穴は目打ちで無理やりこじ開けたのでプローブを差し込むと裂けたようなものもあり、差し込んでもグラグラで固定されず。

持ち手の部分が重いので、加熱途中で傾いてきて抜けたりひっくり返ったり生地から出てしまう事も。型底から微妙に浮かせた状態で垂直にキープするには?

あり合わせで、例の刻みネギ用タッパー付属のスノコをキッチンバサミでカット、グルーガンの先でジャストサイズの穴に広げてプローブを差し込み、輪ゴムでスノコを型に固定することで、なんとか落ち着きました。

プローブは6本のうちステンレス製のものが2本あり、若干太めなので太い用、普通用と分けなくてはならず面倒です。

 

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ストックしてあった冷凍サンプルをまとめて同条件で加熱してみる 冷めていく様子もモニター ラードが多いと透明度が高いみたい

ラードの多い生地は仕上がって冷めてからフタを開けると表面に汗が出ていました。

これはいつも通りかな。オーブン加熱でもよく見かけます。 

 

色材で加えたマイカ。本来はブルーになるはずなのですが、これはいつもピンクっぽいパープルになります。紫陽花みたいに酸性度で色が変わる?

生地に混ぜ込んだ段階ではミントグリーンだったのが、反応が進むにつれて薄茶色になり、石けんになったら上の写真のような色に。ラードの多い生地は透明度が増して綺麗です。現在同じものは見当たらず Blue Mica と改名?

香料は案の定、思った通りに少し茶色く変色しました。いつも作成前に、香料のアンチョコでチェックして選びます。香りだけで決めてしまうと後で悲しい事が起こります。

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 左 香料は10滴/48g 入れて混ぜただけで変色(右側の容器)  中 BBホームページより作った自分用メモ。変色具合、バニラ含量、凝固や分離など鹸化反応下での変化をまとめたもの。(ホームページがリニューアルされ、説明文が ”あっさり” に改定されました。

このダラダラ長ったらしい説明文は英語ゆえ、私にとってはわかった様な、わからないようなモノだったのですが、なくなってみれば何故かガッカリしている自分。Trader Joe'sのチラシの説明文みたいに、想像力をかき立てられるところが少なくなったから?) 

 

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蜂蜜を入れるのは、オリーブ74石けんにソーダ灰が出て、追加実験をする時にサンプルが余るので何か面白そうなものはないかと、手近なものを使用。

オイル総量の1%、3%、5%と、生地総量の1%、3%、5%を試してみました。

ハチミツの糖分で生地が発熱するのでオススメの添加量は〜という記載が、この2種類あって、どのくらいまで入れられるかをお試し。怖いもの見たさ?ちょっと熱暴走の期待もして、危なそうな型はケースに入れて鍋へ入れたりしました。

何も起こらなかった。。キャスターオイルが少なかったかな。私の定番のオーツ・ミルク&ハニー石けんにはちょっぴりしか入れないので、今回は結構ドキドキしたのですが、拍子抜け。

いつかボルケーノ現象の再現実験をしてみたいです。熱暴走は2回?体験済みだけど。

 

ソーダ灰 

今回は、以前湯煎実験(ゴチャゴチャし過ぎて訳が分からなくなりお蔵入り)で謎だった白っぽくカリカリの石けんができたオリーブオイルの謎が分かればいいなと思っていました。

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2/27/19 発泡スチロール箱湯煎+オーブン カッテージチーズみたい pHも高め  右 5/17/19 マイルドにはなったけれど

偶然レシピ3で石けんの表面がソーダ灰に覆われたものが出現し、再実験。

ゆりくまさんのブログで攪拌不足でソーダ灰が出現、とあったのを思い出して、サラサラトレースからしっかり目の普通トレースにしてみたところ、出ませんでした。

ブレンダーでの攪拌は型入れまでに時間がかかる場合、サラサラで止めないとトレースが進み、型入れしにくくなるのでいつの間にか早く止める癖が付いていました。

オイルの配合量によっての調節はせず、その後の作業によってスウィルなど流し入れるものはゆるめ、層を作るものなどは普通、ケーキのクリームなど絞り出すものはチョーしっかりという具合に使い分けてはいたけれど。

もちろん、レシピはそれぞれの作業がしやすいもの選んで使っていたつもりだったのですが、今回はテストなので、そこのところはなーんにも考えていなかった。

オリーブオイルが多いレシピは、サラサラではなく、普通程度のトレースにした方が良さそうですね。(後、カレンデュラの花弁を入れた時、白濁した柄が出ることが多いのも謎 また気が向けば後日調べてみます)

ソーダ灰が出なかったのはよかったんだけど、固めの生地で型入れして台に叩きつけても気泡が取れず、久しぶりの穴ぼこ石けんができました。(ハチミツのサンプル)

 

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・横列 上から順に円グラフのレシピ通り  3、4列は同じもの (Olive74)

・縦列 左端70℃、2番目60℃ 中央下の縦3つはその右の縦列と同じグループで50℃

 右端の縦列は室温放置したもの ハチミツ添加は未だ型出し不可 5/31/19 現在 

 

長くなってしまいました。 わかりにくかったらすみません。

質問、お気づきの点があれば是非コメントしてくださいね。

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          * 次回、まとめの予定です *