楽しい石けん作りラボ

ダイソーのタッパーで石けん作りをしています

グレープシードオイルで酸化テスト 追加報告、リバッチへ

使いそびれていた期限切れのグレープシードオイルを使った酸化テスト。これまでの流れ↓

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<サンプル作成から7ヶ月後>

あの後、サンプルはそのまま両方とも日陰に保管していましたが、前回のテストから半年たったので取り出してみました。

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所々汗をかいていて、色も全体的に茶色っぽくなり、クロロフィルをまぶした所は特に濃い茶褐色に変色しています。

<これまでのおさらい>

サンプルの内容はこんな感じでした。(写真の日向、日陰の位置は今回と逆です)

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痛みが早いであろう、期限切れのグレープシードオイルを使って、

酸化を早めるもの、遅らせるものをリストアップしてテストしたのでした。

 

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<前回の結果>

・酸化防止剤の入ったラードとパーム油に差はなかった

・ビタミンEオイルは全てのサンプルで酸化が少なかった

(が、全体がベージュっぽく変色した)

・無添加とクエン酸添加の差はなかった

・クロロフィルは全てWet、海苔の佃煮状で酸化臭

・抹茶も空気中の水分を吸って茶色く変色

(少し濡れた感じに見えた)

・ゴールドマイカは変化無し

・ブレンダーと泡立て器に(金属イオン)差はなかった

というものでした。

青字にした部分は、今回差があった所です。

前回の結果は作成後1ヶ月でまだあまり酸化が進んでおらず、全体の変色などがなかったため、差がわかりませんでした。

今回、半年の間に酸化がかなり進み、全体的に変色した事で酸化防止効果が見えることになったようです。

<おまけ・覚書>

1金属イオンの影響を見るため、泡立て器とステンレスボウルで作ったが差が見られなかったのは、ミリスチン酸、ステアリン酸添加レシピのため、そんなに混ぜなくてもできてしまったから?

2クエン酸添加時の生地温度が他よりも高かったのは、アルカリ性+酸性の発熱が加わったため?

サンプルを全て洗って乾かし、裏返してみました。グリーンは色付けの練習をしようかと無謀な試みを強行した痕です。ミリスチン酸、ステアリン酸を入れたレシピで、そんな余裕がなかった事をすぐに悟り取りやめましたが、マーカーがわりになっているのでよかったかも。

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<今回の結果>

表側は同じように見えましたが、裏側は日光の影響を受けにくかったらしく、さらに白い部分を発見。
どうやら、クエン酸添加は酸化防止効果があったようです。

やはり日陰のサンプルの方が白いので、日光は酸化を促進するようです。

 

この変色した物体達をどうしようか?と考えながら、石けんを眺め、ふと表の白い部分に気づきました。

あれ?なんでここだけ白いんだろうか。最後の仕上げにステンシルのように抹茶、ゴールドマイカ、クロロフィルパウダーを振りかけた上側です。

上側は酸化促進物質をかけたつもり。なのに下側よりも白い。

チェックすると抹茶を振りかけた部分です。

よく見るとどのサンプルも抹茶がかかっていた部分だけが白く残っていました。

お茶は抗酸化作用がある、とはよく聞くけれど、本当だったんだ・・・

抹茶の緑→葉緑素は「酸化する」と思い込んでいたので、抹茶自体が湿気を吸って薄茶色に変色していた事もあって、「あーあ、やっぱり」と思ってしまい、しっかりと見ていなかった気がします。

今回「さらに進んだぬるぬる酸化部分」を取ろうと念入りに洗った事で、その下の「素顔」が見えたのかもしれません。

抹茶粉末は結局途中で洗い流されて消えているのに、効果があるということは、抗酸化物質の成分が石けんに移っていたのでは?と思いました。

抹茶粉末は酸化防止効果が確認されました

抗酸化物質が何なのかなどが気になりますが、少し置いておいて、先にサンプルの有効利用を考えます。

シンプルに擦り下ろして細かくし、握り固めてリバッチ石けんにする事に。

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酸化の進んでいる部分とあまり酸化していない部分とを分けて、2種類作ることにします。千切り用おろし金で表面を削っていくと中の方は元の石けんが残っていました。

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酸化の少ない方400gにはオリーブ葉の粉末、酸化の進んだ方530gにはローズマリー粉末をそれぞれ5gづつ入れました。

香料はBlack TeaとTabacco & Bay Leafを選びました。

酸化臭を消すために少し強めの香りにし、酸化の進んだ方はBlack Teaにしました。

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最初の写真の汗をかいて酸化臭のする怪しげなサンプル石けんも、洗って(6/18/20)、乾かし、削ってオプション(葉っぱの粉、香料)と混ぜて握って固めれば、見た目はイマイチですが、使い心地は素晴らしい石けんに生まれ変わりました。(6/19/20)

紅茶の香りもいいですが、タバコ&ベイリーフも最初、「げ、苦〜いタバコっぽい匂い」と驚いたけれど、使ってみるとなんだか癖になる不思議な香りでした。

石けんを使ってみると、最初にぶくぶくと大きな泡が立ち、さらに泡立てるとふわふわの豊かな泡へ。グレープシードオイルの泡立ち効果、ミリスチン酸とステアリン酸の泡立ち、固さ、溶け崩れ防止も効いています。

スクラブ効果を狙って入れた葉っぱの粉も、痛く感じることはなく丁度いい具合です。

キッチンの手洗いにはスクラブ効果があると便利です。(小麦粉や、肉のベタベタ汚れに最適)布巾を洗うにはスクラブなしの方がいいですけれど。

ローズマリー粉末は抗酸化作用も期待して入れました。オリーブの方は沢山あったから使わないと、と何気なく入れてみました。

オリーブリーフパウダーなんて、何に使うんだろうと思っていましたが、調べてみると抗酸化物質(オレウロペイン)が含まれているそうな。2018年にたまたまセールで安かったので買ったけれど今見たら見つからない。そういえば在庫処分だったかも。

現在、脚光を浴びつつあるアイテムの様子なのに、どうして取り扱いをやめたのでしょうね。

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グレープシードオイル100%の丸石けんが日向の下にありますが、これは日陰保管だったので左の日陰の方に置くべきでした。

ちなみにこの丸石けんのヒストリーを振り返ってみます。

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7.31.2019 100%石けんシリーズで作成。

9.2 文字入り写真 (湯煎作成時に水漏れし、上面が残念な姿でした) 

10.18 うっすら酸化の兆し 酸化臭もアリ 洗ってリセット*

*洗う事で表面の酸化した部分が流されて消え、元通りの状態になるのでそう呼んでいます

5.2.2020 また酸化が進んだ状態で表面はベタベタ 

     ペーパーにもシミがつく 洗ってリセット

 リバッチ石けんに入れようかとも思ったけれど、成分も違うのでやめました。

トレイの隅で小さくなっていますね。

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お茶の抗酸化作用をテストしてみる事にしました。

例のグレープシードオイルはまだ少し残っているので丁度いいかな。