はじまりは、Bramble Berry で購入したマイカの発色テストのサンプルから。2014年
Soap Queenの紹介レシピ( Striped Berry Champagne Cold Process)での写真でターコイズっぽい水色のアクアパールマイカ。5段レイヤーのそれぞれ表面に茶こしでふりかけてラインを出す、というテクニックにちょっと驚いて惹かれました。
自分では思いつかないテクと、この色使い。作ろうとは思わなかったけれど、色は可愛いな。で、オーダーすることにしました。送料がかかるので、ついでにアレコレと。
コーラルマイカ。石けん粘土で使う時用に赤い石けんを作りたくて、顔料の赤はどうも茶色っぽすぎて赤には見えない、と赤に近い色になるかな、と期待して。
カッパーゴールドマイカは金茶色でキレイだったのでそれも一緒に。
それらをマイケルズで買ったミニのブラウニー用シリコン型で少しづつ濃度を変えて、色テストしてみました。他の色はこんな風にテストしたりしなかったのですが、何となく。
左端の写真にあるドロッパーボトルは、色材をオイルと混ぜて入れていました。
当時手持ちの色材はサンプルセットのものだったので、ジップバッグに入っており、使うたびに手や周りが色粉だらけになってしまうので、使うのが億劫でした。
もっと手軽に使えるようにしたいと思い、BBのサイトで探すと丁度容器のコーナーにドロッパーボトル、があったので、これだ、と。
各色ミルクフォーマーで色ごとによく混ぜてから入れたのですが、時間が経つと色粉が沈んでオイルと分離してしまいます。それで使用直前によく振ってから使っていました。
レシピにGreen chrome oxide 4滴/ 50g とか書いておけば毎回大体同じ色が再現できる仕組み。使う量を1滴づつ調整できて便利。
色の種類によって油を吸う?のか、ドロッパーが詰まりやすいもの、混ざりにくいものなどもありましたが。
使い勝手はよかったのですが、如何せん5年も経つとオイルが痛んできて酸化臭がするようになったのでもうダメだなあと思い、毎日ガンガン作るわけではないのでこの方法は合わないと、毎回作る度に調製するオーソドックスな方法に変更しました。
↓2014当時は普通に作った石けんを捏ねていたので固くて大変でした。今は水分が蒸発しないジプロックバッグ法で作るためずいぶん楽になりました。
ブラウニー型サンプルだけでは総量が少なすぎてブレンダーが回せないので、もう少し量を作る事にし、残りはなんとなくこちらでよく見かける配色で(家とか)ポテトサラダ容器で作りました。(右上の写真 ああ、微妙な仕上がり)
で、出来上がったサンプルを眺めながら、何に使おうか?
なんだかコーラルマイカと言うだけあって、ピンクサンゴみたいな綺麗な色だな。
ブルーともよく合ってるし。しかしポテサラ型石けんはいただけないな。失敗した。
これはどうしよう。うーーん、削ってリメイクするか....
悩むうちに頭の中でイメージが浮かんだので、それに合う手持ちを見繕います。
丁度、これまた別テストで例のヒーリング系のお店で購入したGum素材、木の粉(一体何に使うものなんだか)色々を発色テストしたサンプルもあったので、砂っぽく見えるものを選んで組み合わせてみました。 こんな風に。
底部は砂のように見せたいので、サンプルのBenzoin Gum石けんを細長く切り、カット面に対して垂直方向に敷き詰めます。ポテサラ石けんはピーラーで長めに削って手でロールしました。普通に削った細かいものも用意します。
ブラウニー型の方は薄いピンクコーラルは小さめのフルーツくり抜き器でクルッと抜いてちょっと歪な丸型に。濃いピンク、赤系のものは包丁で側面を削り落とす感じでスライスして刻みました。ブルーはイレギュラーな小さめの乱切りにしました。
これらをバランスを考えながらレイヤーにして生地と交互に入れていきました。
生地は白いものならなんでもOKです。型離れが悪いものは苛性ソーダを溶かす精製水にオイル総量の0.5%の塩を溶かしたものを使うと型出しがスムーズにできます。
当時の私の生地レシピはこんな具合です。
★作る生地の量を決める
型に好みのサイズになるよう、水を入れて重さを量り必要な生地量を出す。
ぴったりの生地量に作るには、準備した具材 (今回90g、毎回量って調整)分を730gから引き算し、必要な生地総量(640g)を求め、割引率?(x0.877)を出して、上の右側レシピを計算し直す。(もしくは下記のアルカリ計算機&石けんシミュレーターで計算。こちらを使うと好きなようにアレンジできます。)
ハードオイルたっぷりのちょっとビックリなレシピですよね。
レシピ作成には「 uki uki せっけんライフのアルカリ計算機&石けんシミュレーター」を愛用しています。 これを使って、できるだけグラフの六角形が大きくなるレシピをあれこれ編み出しては試す、という事をずっとやっていました。
結果、完成した石けんはパフォーマンスがどれも同じように感じて。(当たり前か)
使用しているオイルの配合はかなり違うのに。
と言うようなことが続いて、ちょっと面白くなくて何かに特化した特徴のある石けんも作るようになりました。
今から考えると、泡立ちテストはあまり真剣にやっていなかったのでちゃんと比べれば違ったかもしれません。
最近は多種の油脂をストックするのも不経済なので、なるべく近所のスーパーなどで調達できる定番オイルでレシピを組むようになっています。
改訂版のレシピはこちら。
★シアバターを省略する時は・・
オリーブオイル 155g
ラード 150g
ココナツオイル 115g
(ひまし油 以下同じ) で作れます。パフォーマンスはほぼ変わりません。
先述のレシピと同様、具材の量が変われば必要総量が変わるので合計が750g を超えないように調整して下さい。
久しぶりに初心に返って?ハードオイルたっぷりの昔のレシピで作ってみました。
用意したあり合わせ具材はこんな感じです(好みで調整して下さい)
底面より
砂用 33g Rosemary 粉入り(ハーブパウダーなどで色付け)
赤珊瑚 20g 2種類あるとなお良し Coral Mica+ Electric Bubble Gum
アクア 15g Aqua Pearl Mica Caribbean Blue Mica
ピンク珊瑚 18g Coral Mica
@86g 大体90g
★色材分量:Rosemary powder 2g/148g 生地2018 4月 アクア、ピンク珊瑚 いつもの具材は切らしていたので 今年1月の色サンプルを使用 1wsp / 50g生地
(0.15cc 直径8mmぐらいの白スプーンすり切り1杯)
赤珊瑚のまだらの方は・・・赤い方とともに分量の詳しいデータはありません。
日本の方はそちらで市販されている色材が私が使っているものと同じものがあるかどうか、ちょっとわからないので適当にアレンジして下さい。
砂用のRosemary入り具材、何かに使おうとタッパーの半分まで入れて作ったものが眠っていたのを利用。長さがピッタリだからカットした後入れるのが楽でした。
ハードオイルは電子レンジに30秒づつかけて取り出し、揺すって混ぜるを繰り返す。溶けたらソフトオイルを量り入れ、ブレンダーで空気抜きも兼ねて攪拌。苛性ソーダ液を全て入れる。攪拌開始。細かくオンオフして断続的に攪拌する。香料を入れる。さらに同様に攪拌。
生地が完成。砂具材を敷き詰めた型に薄く流し込む。台に打ち付け空気を抜く。赤珊瑚具材を半量散らす。生地を入れる。残りの赤具材を入れる。生地を入れる。青具材を散らし入れる。
生地を入れ、ピンク珊瑚具材を2度に分け入れる。残りの生地を乗せ、好みでヘラの先で柄を入れる。
スチーム法で作成。鍋に中すを敷き、水を1cmぐらいの高さまで入れる。型にフタをして鍋に入れる。鍋の蓋に鍋温度モニター用温度計を取り付ける。(グルーガンで穴を開け、滑り止め防止シートを巻き洗濯バサミで止めて固定)スタート時は角が35℃で低め、中央が高め。60℃〜70℃をキープして約1時間で半分透明化。75分で全透明化。火を消した。
生地の最高温度はこんな感じでした。室温で冷まして粗熱を取り、冷凍庫で数時間冷やして型出し。カット、pHチェック、ピール、水洗い、乾燥。
pHは上部の一部、部分的に液が滲み出ている所が少し高めpH10〜11でしたが、全体的にはグリーンでpH9〜10ぐらい。問題なく使えます。
どうでしょうか? うーん、砂具材がもっと薄くて斑入りがよかった・・後は赤いのが角形じゃなくてもっといろんな形がよかった、とアレコレ思うけれど。
でも、上出来かな。
さて、先に用意しておかなくてはならない具材ですが、
90gだけ作るとなるとブレンダーでは厳しいですね。
将来のストック用具材として同時にこういうのを作っておくのは如何でしょう?
ラベンダー&カレンデュラ のカレンデュラ側には紅花パウダーが入っています。
先述のレシピ全量を具材分を引かずに作ったら90gぐらい余るので(忘れず先に取り分けておく事)、何を作ろうか迷ったなら、今後の具材として、こういうモノも簡単で可愛いのでおすすめです。
もしくはコーラルの具材だけを作る場合、これらも一緒に作れば合計180gになるので、混ぜる容器を選べばブレンダーでも攪拌できると思います。
色材:濃いピンク(Electric Bubble Gum)、白(Titanium Dioxide)、あれば赤かコーラルマイカ、ラベンダー石けんは Ultramarine Blue と濃いピンクを少し混ぜる
・濃いピンク〜薄いピンクのグラデーション3種ほど
・それに白を混ぜたものグラデーション2種ほどを作る
・色分け生地はムラのあるものも作ればいいアクセントになる
・ジプロックバッグに色分けした生地を入れ、空気を抜いて3日間
・手袋をはめ、こねながら色々な大きさのボールに丸める(バッグで保存)
・実際に使う時はこれを3段ぐらいのレイヤーで生地と交互に型入れ
私の場合、いつもの如くこれを作ろうと思って用意していたわけではなく、手持ちの具材の活用を考えていきあたりばったりで作ります。これは少々古めの昔の生地で、捏ねるのにグリセリンも入れていたため、完成後にカットしたら、多分露が出るだろうなと思い、重曹をまぶしてみました。(露が出ると痛みが早くなります 使っていれば問題ないのですが保存中はNG)
フレッシュな具材の場合はこういう小細工は不要だと思います。
そうそう、コーラルビーチ石けんの覚書です。
アクアパールマイカの青具材にゴールドマイカをまぶしつけて型入れしてみましたが、(ターコイズの感じを出そうと)なんだかそこから酸化が始まりやすいみたいで、1回でやめました。
一時期、トッピングにカッパーマイカ、ゴールドマイカを茶こしで振りかけた後、竹串でぐるぐる模様を描く、というのをよくやっていました。
けれど、トップにはどうも過剰油脂が浮いて来やすいらしく、ゴールドマイカがそれと反応して酸化が促進されるようなので、じきにやめました。
カッパーの方はそうでもなかったので、今もスタンプに使っています。
最後に、オーブンでの加熱作成なら170℉(76℃)2時間ぐらい
スチームなら60℃で80分ぐらい。70℃近くで加熱すると60分ぐらいかな。どちらも透明化するぐらいで生地温度は85℃ぐらいになります。香料の入れすぎ、糖分の添加、ココナツオイル、ひまし油を多くしたレシピの時は60℃加熱が無難かも。
時々温度チェックと透明度チェックをしてください。 どちらの方法でも全体がすっかり透明になれば(具材は別)加熱終了です。
ずいぶん長くなってしまいました。お疲れさまでした。
夏向きの石けんをいくつか紹介する予定です。