ラスト3種はハードオイル(常温で固形の油脂)。まずはパームオイルから。
自然素材メインで作るオレンジ色の石けん用に赤パーム油を、ラードなしの石けん用に白パーム油をストックしているのですが、白パームの方が使い道が多いため、先になくなってしまいます。
春のシリーズ時には、手持ちが赤パームしかなく、容器が染まるし赤と白では同じ結果になるかどうか、確信が持てずやり残していたのでした。
というわけで、今回ようやく確かめられる事となりました。
白パーム油 35g
水33% 12g (12.3g)
苛性ソーダ97% 4.9g
パーム油は暑さでヌルヌルのクリーム状になっていたので全体を満遍なく揉み込んで均一にしてから絞り出しました。 ソーダ水45℃、オイル46℃でミックスしました。
攪拌を始めたら、生地は薄い褐色になりました。なんとなくトレースが早そう、と4分で止めてチェックしたらすっかり出来上がっていました。早い!生地温度は48℃。
型入れします。粘りのあるような生地に仕上がりました。
型入れ後の生地温度42℃、ジップバッグに入れ、重石用小ビン(82℃)を乗せてマグに沈め、フタを乗せて加熱湯煎スタート。湯温は58℃〜。
パーム油はなんとなく早そうな気がしたので10分後から5分間隔で観察を続けました。30分後、ようやく底部が透明化。生地温度は約73℃。35分後全体がすっかり透明に。生地温度は約70℃。マグの湯温は最高68℃までしか上がらなかったので、生地の方が高かった、つまりピークの真っ最中だったみたい。
マグのスイッチを消し、おきまりの10分追加保温。
湯から引き上げ、ジップバッグから出します。水漏れナシ。いい感じ。
フタを開けたら綺麗にできていました。モニター温度計をセットして生地温度が30℃になるまで室温(26℃)で冷まします。冷めたら冷凍庫へ40分ほど入れて型出ししやすくします。
綺麗に仕上がっています。型出しもスムーズ。固い石けんを作るために入れるオイル、といわれるだけあってしっかり固い石けん、という感じ。
あ、フォーマーに残った生地が薄い膜状になって固まっていました。
攪拌が終わったら、フォーマーの先でカップの壁を軽く叩くようにして残り生地を落とすのですが、生地が粘っこくて落ちにくくて。こんなに残り生地がくっついている事はあまりないです。
pHチェック 底面10〜11青緑、残り生地13紺色、側面9〜10緑、上面10〜11青緑。
ペーパータオルチェック(笑)石けんの試験紙は緑、残り生地は青でした。
続けて赤パーム油もテストします。石けん作りのサイトや資料では、鹸化値は白と赤の区別はされていないのですが、鹸化のしやすさなども同じなのでしょうか?
なんとなく色成分が残っている方が鹸化がより早い様な気がしているのですが、どうでしょうか。色だけじゃなくてその他の物も精製されているような気がするので。
(材料は上記の白パーム油と同じなので省略)
ビンに入った赤パーム油はこんな具合。軽く混ぜて計量します。ハカリに少し溢したのですぐに拭き取りました。黄色いシミができやすいので要注意です。
溶かしたオイル、苛性ソーダ水を45℃にしてオイルに入れます。
なんだか怪しげな混合物にしか見えません。。
カバーをつけたミルクフォーマーをオイルの入ったカップにセットして攪拌スタート。
直後からなんだかドロッとしている様な感触があり、1分過ぎて一度見てみることに。
えええ、もうトレースが出てる。早い、早過ぎる!ひまし油より早いなんて。
生地温度は46℃でした。
型入れ。かぼちゃのペーストみたいです。生地温度は37℃に下がりました。
ジップバッグに入れ、マグに入れ、重石用小ビン(76℃)を乗せてフタをして湯煎スタート。湯温は50℃でした。
湯煎開始から10分毎にマグ湯温、生地温度(底部)、生地の様子をチェックします。
30分後も生地の様子に変わりはなし。湯温64℃、生地温度68℃でした。
白パームの透明化は湯温が68℃だったので湯温67℃に観察することにしたら、ちょうど40分後となりました。
予想通り、底部の透明化が始まっていました。生地温度76℃。白よりも3℃高い。
同様に5分後にチェックすると、すっかり全透明化。生地温度は75℃。湯温は67℃と変わらず。
おきまりの10分保温をします。
ドキドキしながらフタを開けると、そこには赤く光り輝く石けんが。水漏れナシ。
フタを替えて、石けん温度をモニターしながら室温で30℃まで冷まします。
スタート時は70℃の石けん、30℃になったらそのまま冷凍庫へ。モニターを続けます。
だいたい40分ぐらいで5℃ぐらいになるので冷凍庫から出して型出し。
表面に白い層は見えませんでした。底面もきれい。
pHチェック。ベースがオレンジなので見づらいですが。底面10〜11、側面同じ、上面10〜12、残り生地13。 側面の写真で見える様に、少し層ができている様です。
そのせいか、部分によって試験紙の一部だけ青く滲んだりしていました。
最後に赤パーム油の消費期限をチェックしたところ、去年の9月。ああ。
でも香りは普通なので多分大丈夫かと。
生データは個人メモなので参考程度に。
まとめでもわかる通り、白パーム、赤パーム共にほぼ同じ結果になりました。
赤パームの方がトレースは出やすかったけれど、鹸化の進み具合は白パームの方が素早いという結果になりました。生地温度は赤パームの方が白パームに比べて高めでした。
ゆっくりなら低めになるのかと思うんだけれど、なぜ逆になるのやら。不思議です。