数年前、コーヒーの香りの石けんを作りたくて、エスプレッソの香料を購入しました。
シンプルな茶色の石けんではつまらないので、ネットで見つけた気になるデザインを参考にして甘い香りのバニラフレーバーを足し、生地を数種類の茶色、クリームがわりの白、と色分けしました。ココアパウダーと白色材だけのイメージを少し変えたくて、今回、蜂蜜入りのキャラメルカラーも追加。
ついでに、いつもなんとなくグリーンが欲しくてトッピングしていたミントグリーンの小さい具材は思い切ってスタバ風ストローにしてみました。
キッチンの手洗い用に使えるように美味しそうな甘い香りのコーヒーで、泡立ちしっかり、もちもち泡、少しスクラブ効果も欲しいな、と考えたレシピです。今回は蜂蜜が加わったので更に泡持ちがよくなる予定ですがどうなるでしょうか。後日、恒例の泡立ちテストで検証します。
スクラブ効果で添加している挽きコーヒー粉はコーヒーを淹れた後に乾燥させたもの。石けんを手洗いのみで使っているとどうも石けん本体の方に残りやすいようで、表面が粒だらけになります。そうなると尖った粒でこするようになるので、手がふやけていると皮が剥けそうな程痛い! コレはイタダケナイ。
なので細挽きなど細かく挽いたものを使うか、フードミルなどで挽きなおす事をお勧めします。(初めてのコーヒー粉入り石けんはキツ過ぎて使えないシロモノで、薄めて?リバッチしたけれど大量にできてしまって大変でした それ以降はミルで挽き直しています)
また、使用前の粉を使うと粒の周りが少し色が滲んだような仕上がりになって見栄えがする?(それを素敵とするか、汚れてるだけと捉えるかは人次第)けれどキッチンでは布巾を洗ったりするのにも使うので、染みにならないかが気になるところ。
という訳で使用後のものを使うのが無難です。
デザインはフラッペチーノ(かき氷のフラッペ、とカプチーノを足した造語だそうですね)をイメージして適当に美味しそうに見えるようにアレンジしました。
コーヒー豆風石けんのトッピングは当初からですが、手捏ねでコーヒー豆を作るのは結構面倒なので、今回初めてシリコンで型を作りました。押し込むだけで簡単に形ができるので楽で便利です!
シリコン型はセリアの型取り用シリコーンゴムで。去年クリスマスカップケーキの飾りに初めて使いましたが、思ったより簡単にでき、使い心地も上々でした。
具材
・コーヒー豆風 7gぐらい(7個)写真は多めに作っています
#石けん粘土作成
古石けんなどを削り、ジプロックバッグに入れ、水少々を足して軽く捏ねて数日放置、全体に水分が回ったら Brown oxide (無ければココアパウダー)少々を加えて袋ごとよく捏ねる
まとまってきたらバッグから出して捏ね、シリコン型に詰めてしっかり押し込み、取り出す 柔らかい方が作りやすい 取り出すときに多少変形するが出してから整える
*オーブン粘土がなければ小麦粉と水を2対1の割合で練って形作り乾燥 弾力性があり、小さいものは作りにくいが台に押し付けて楕円の半球状にし、平らな面をヘラで押し込んで筋をつけるとそれっぽくなる 写真は小麦粉10g水5gで捏ねて作成 少しだけ縮む
#シリコン型作成・・・セリアのシリコンキット、枠用小容器、オーブン粘土*↑
1 粘土で原型を作り所定の温度で焼いて硬化させる
2 キットの指示通りにシリコンを捏ねて原型を筋の入った方を下にしてシリコンに押し込み、用意した枠用容器の底に原型の豆の裏側が来るようにしてしっかり詰める
3 シリコンが固まったら取り出し、原型を外す
・ストロー風 18g / 7本
1月に作成した具材用色石けん Aqua pearl mica 1wsp/50g にHydrated chrome green を適当に足して捏ね、好みの色にしました。ちょっと濃すぎたかな。
長さを見るために野ばら石けんを置いています。
・クリーム色角切り 30g
なんとなくアクセントに、ポピーシード入りの小さい角切り 下の写真 ↓
5年もの?の古石けん。大して変質していないようなので再利用。
↑ 蜂蜜を並べるの、忘れていました
洗い物を減らすために、生地作成前に予習してみます
↓ ちょっと見にくいですが、色分け生地作成の流れはこんな感じ・・
それぞれ先混ぜが必要なものがあるので、戻したりするのでややこしいかも。
生地の作成、型入れ
苛性ソーダ溶液を作り、冷ましておく。詳しくは
https://funsoaplabo.hatenablog.com/entry/2019/04/19/035933
固形オイルは計量して30秒づつ電子レンジをかける その都度、揺すり混ぜて溶かす。
今回は30秒、30秒、20秒でした
液体オイルを加えてブレンダーで軽く攪拌。(オイルのミックスとブレンダーのカップ内の空気抜きを兼ねて)
苛性ソーダ溶液を全部加える。ブレンダーで断続攪拌、約2分で生地完成。730g強
1 白色材を入れた白生地用ボウルに少量生地を加えてヘラでよくすり混ぜる。
210gになるように生地を足し、ブレンダーでしっかり攪拌して置いておく。
2 蜂蜜を入れたキャラメル生地用ボウルに少量生地を加えてヘラでよくすり混ぜる。
混ぜた生地を全て元のボウルに戻し入れる。
コーヒー粉、香料を入れてしっかりよく混ぜる。
175gを再び取り分ける。
キャラメル生地を型入れする。
3 ココアパウダーを入れた薄茶生地用ボウルに少量生地を加えて、ヘラですり混ぜる。
混ぜた生地を全て元のボウルに戻し入れる。
175gを再び取り分け、キャラメル生地の上に型入れする。ボウルにあまり残さないように。(それでも残った薄茶生地、残した?キャラメル生地は最後のトッピングで使う)
4 最後に残った元ボウル生地にはボウルのヘリにココアパウダー1/2tspを入れ、ヘラでその部分だけしっかりすり混ぜてから全体を混ぜて、こげ茶生地にする。
薄茶生地の上に生地をボウルに残さないように全部型入れし、角切り具材を散らす。
適当にハンガースウィルする。
中央部に1の白生地の1/4ぐらいを乗せて中央上部だけをグルグルと適当に混ぜ込む。バターナイフを使いました
トッピング、仕上げ
白生地を中央に盛るように全て乗せる。両側からバターナイフですくい上げるようにしました。
両サイドに残してあったキャラメル生地など全てのボウル、器具、ヘラに残った生地を掻き取って乗せ、表面だけ軽く竹串で適当に模様をつける。
中央にトッピングをする。ストロー具材は長くてフタが閉まらなかったので、あまりはみ出せなくて斜めに差し入れることに。実はデザインに夢中で、フタをするという事をすっかり忘れていました。
フタが閉まらなくて(結局閉めたんだけど)焦ってあれこれやった事で面倒になり、今回は久しぶりにオーブン加熱にしました。(鍋の火加減を調節する気力がなくなった)
オーブン加熱作成 170F(実際は70℃)2時間
170Fにセットしたオーブンで2時間加熱。モニター温度計で生地温度のデータを取りました。中央部は豆があるため、前回のお月見石けんで空けた少しサイド寄りの穴を使ったので、完全に真ん中ではないです。
加熱開始95分で角部が78℃のピーク。その10分後に中央部が79℃のピーク。
加熱終了の125分まで、どちらもずっとそのままの温度でした。
蜂蜜入りの生地は綺麗に透明化していました。
温度モニターのみ行ったので生地がいつ透明化したのかは観察していませんが、ピーク近辺だろうと思います。経験上、この生地だとオーブン加熱で90分ぐらいから透明化する、とわかっているので、詳しく観察せず
終了後すぐにオーブンから出して室温23℃で冷ましました。
型出し、カット、ピーラーかけ、水洗い、pHチェック、スタンプ、乾燥
冷まし初めて約7時間後にようやく中央部が30℃まで下がったので型出し。
蜂蜜入りの生地はすんなり出てきました。
早速カット、ヘリをピーラーで整えました。結構表面がオイリーなので、いつもはすぐにpHチェックするのだけれど、ついうっかり先に水洗いしてしまいました。あらら。
水に濡れた石けんは、より透明感が増してゴージャスな感じ。少し乾燥させて測ったpHは上面、カット面共に全て10ぐらい。綺麗にできました。
一晩乾燥させて、翌日スタンプ。ちょうど白いクリーム部分に押すと見やすくできました。
〜作成メモ〜
・シアバターではなく、あえてココアバター を使ったので白部分は若干クリーム色になっていますが、クリームっぽくていいかも。
・今回使用したココアバター は、作成中も完成後もチョコの香りがするので、ココアパウダーも合わせてチョコっぽい香りもします。先日の100%単一オイル第2期で追加実験をした時にも感じていました。第1期の実験を見直しても、その時使っていたものは見た目は同じだけれど、香りはしませんでした。精製度が違うのかな、鹸化率に影響はないのでしょうかね。
・香料のバニラ、エスプレッソは生地が茶色に変色するのでコントラストを出すために、あえて白生地部分には入れないよう工夫しています。
・香りは想像した通り、エスプレッソコーヒーに甘いバニラとチョコの香り。そこにわずかにミントが混じって全体を引き締めているような印象です。
・蜂蜜入り生地は加熱後にキャラメル色になります。オリーブ配合違いの実験で蜂蜜添加した時の色(1%、3%、5%)をみて割合を決めました。狙い通りの色になり、満足のいく仕上がりです。
・ココアパウダーは乾燥するにつれ更に黒っぽくなるので、生地の状態で完成時の色にすると濃くなりすぎます。わかってはいるけれど、足りない気がして、ついつい入れすぎてしまうんですよね。ちょっと反省。
<おまけ>今までのコーヒー石けんの変遷
今回は生地が柔らかくてスウィルの柄があまり出ず・・