桜石けんの具材、桜棒とアルミホイルの芯で作った月棒を組み合わせた夜桜石けん。
3年前の初回作は、あり合わせの具材を半分やけっぱちで突っ込んだ即興仕上げだったのですが、予想外に素敵な仕上がりとなり、それを再現しようとした去年は色材の量が違ったため、かなり雰囲気の違うものになりました。
今年は記録を頼りに初回作の作り方を忠実になぞって行こうと当時と同じ様に色材をドロッパーボトルに用意して作ってみました。
当時、お試し購入したカラーサンプラーはジプロックバッグに入っているため、開け閉めの度、手も周囲も粉がついて汚れるのでひどく面倒くさい。もっとお手軽にならないものか?とあらかじめオイルと合わせてドロッパーボトルで垂らすというやり方を編み出していました。
ただ、種類によってダマになりやすい色はボトルの先に詰まりやすく、押したらドバッと出ることもあったり。割といい加減なものなのですが、それなりにまあまあ使えるシステムでした。 ただ、3年もするとオイルが酸化してきて臭気を放つようになり取りやめに。
そんなこんなで、ここ数年は粉をその都度オイルに溶いて使う方法に変えていました。ドロッパーを使う利点は追加が容易なこと。粉だと後から足すのに面倒でええいっと直に生地に粉を足してしまい、混ぜるのが大変でそちらに気を取られ、結局どのぐらい入れたのかわからなくなる事が多い(本当はズボラなのです)ので、再現性が難しいのですが、ドロッパーだと生地に馴染みやすく、混ぜ込むのが簡単で滴数を数えやすい。
今回は新調したビタミンEオイル(ひまわりオイルに添加されたもの)を使いました。
濃度はかなり適当。最初はきっちり量っていたけれど、何せ色によって重さも嵩も違うので、使ってみたら薄すぎたりと何を基準にしていいのかよくわからない。色粉自体の重さは少なすぎてほとんど誤差範囲。
とりあえずオイルを5g入れ、色粉をいつものミニ白スプーンで4〜5杯分入れ、振り混ぜてみて沈殿物が少なければ足して全体の1/3ぐらいになるようにして使いました。オイルに馴染むまでは結構時間がかかり、時々休憩しながら、長い間振り混ぜていました。使用直前にもしっかり振り混ぜ。マイカはすんなりとなじみ易いけれど、ピグメントは頑固モノ。Ultramarine blueは詰まり易い。
これを使って今回の作品は3回作り、2度目から色の調整がうまくいき、狙った色が出せました。
1作目は花びら型の棒具材を下部に埋め込んでみましたが、イマイチよくわからないモノになっているので、上部で見せる入れ方に変えたり、散らし具材は古いあり合わせでなく、フレッシュな色具材を刻む方がいいとか(当たり前だけど、モッタイナイ気質でついつい・・)
お月様具材が一度に2本+1/2本できたので、半分の長さの棒を半月にカット、繋げて一本にして三日月にしたり、3作目の花びら棒がなかったので、桜棒を更に桜型でカットしたものを使ったりと、その場しのぎ的アレンジ満載です。(去年の作品も右二つは長さの足りない月棒をダイソーの粘土セットについていたのし棒でくり抜いて、マンガチックな三日月と小さめの月で型の長さに調整しています)
3作目の桜棒は、前回の固まやすいパーム核たっぷりの桜石けん生地で作ったものなので、色ムラがマーブルでなく斑点状になっていますね。
中央の流れる白雲は、よくある和風の柄の「えがすみ・えぐも」と呼ばれる感じにしたくて工夫してみました。去年まで直線状だったので、月を入れたら重さで横に逃げてしまい変に斜めになり、雪山の斜面?謎の部分になってしまっていました。
上部の白雲は、はっきり見せるために今回のラストのものにだけ、Titanium Dioxideを少し加えています。(去年まではレシピが違うせいか、あまり気にならなかったのですが)
香料のTurquoiseは少し神秘的な感じのする香りで気に入っていたのですが、廃盤になったみたい。変色しやすいからかな。今回で使い切ったので少し悲しい・・
<具材の作成>
・月の筒はラップの芯など直径3cmぐらいの硬くてしっかりしたものを用意
・ライナーはアメリカではフリーザーペーパーがお手軽ですが日本では薄手のクリアホルダーなどで代用?
・私はコスコのアルミホイル(卓上型で大きい)の芯にフリーザーペーパーをオーブンの高さギリギリまで突き出してライナーを作り、オーブン加熱して満月2本+1/2本を一度に作成
なかなか抜けなくて冷凍してようやく出ました
・以前のお月見石けんの時のように、手こねで円形のクッキー型(あの時は花形などのお尻部分を逆向きで使いました)で1.5cmぐらいの厚みのものを作って繋げる方法もあります
作り方 写真は今回の分量ではありません
生地の取り分け、色付け 写真は私の場合なので各自工夫して下さいね
先述の具材レシピの通りに生地を作り、それぞれの色ごとの作成量通りに別容器に取り分けて色付けする。
月の筒はあらかじめライナーを作って入れ、端は二重ラップ+マスキングテープで止めておく
ヱ雲は板の端に丸棒をマスキングテープで止めて敷台にし、角に被せる様に乗せて作る
桜棒はデイジー型で作った石けんを桜金型でトリムする
花びら棒は残りを捏ねて抜き型で抜いたものを繋げる
<本作成>
生地の作成 いつもと同じ様に先述の通り生地を作る
香料を加えて軽くブレンダーし生地を仕上げる
レシピ通りに順に生地を取り分け、色生地を作る ドロッパーボトルはよく振っておく
最初の生地は桜棒の下に流し込む感じで入れる
2番目の生地は桜棒の上からかける感じで入れる
3番目の生地も桜棒を被せる様に入れる 空気が入らない様にヱ雲を乗せる 向きに注意
少し押して馴染ませる 3回目は4番目の生地を全部入れてから月を入れた
月を入れるタイミングによって表情が変わる 押し込むと両側に生地が逃げて動きが出る
最後に残した生地にTitanium Dioxideを加えて白生地にし、雲の様に入れる 花びら棒も
好みにトッピングを飾る 3回目はオーブンで 1回目はスチームで 1回目の加熱終了時
全体が透明化したら冷まして粗熱を取り、冷凍庫へ数時間入れて型出しする
7切れにカットし、ヘリをピーラーで削る 一切れづつ水洗いして乾燥させる
翌日pHチェック、スタンプする
1、2枚目は1作目 3、4、枚目は3作目 色材の量を増やしました
作りたいイメージによって、色調やカラーミックス 素材の色を変えると面白いです
加熱時の生地温度変化データ
上はスチーム加熱、下はオーブン加熱 オーブンの予熱をしていないのがバレていますね
同じ生地なのに加熱方法の違いで、ピークの具合が変わっているのが興味深いです
オーブンはスチームに比べると熱伝導率がマイルドなので温度上昇に時間がかかる
急激な温度上昇が可能なスチームは生地温度も素早く上がり、高めになった??
ライトアップに浮かび上がる花は幽玄さが増してステキ