春シリーズの石けんは泡立ちテストが終わっていますが、最後の青い鳥石けんを追加するついでに、比較するためにもう一度通しで行うことにしました。
青い鳥石けんは夜桜石けんと同じレシピで、上面の青が濃いものは色生地ごとにオイル添加しています。
これは去年のお月見石けん、春の夜桜石けんの「泡立ちの悪さ」を再現するべく、同じ条件にしてみたもの。
色材を入れる際使ったオイルが泡立ちの邪魔になっているのではないか?と考えたのです。
他にも同じ石けんを何度も繰り返して泡だてているうちに、すごく泡立つ時とそうでない時があり、一体なぜ?と不思議でした。
乾燥している使い始めのものは溶けにくく、泡立ちにくいですが、何度も繰り返しているものは表面もすっかり溶けているし、もっと泡立っても良さそうなのに。
いい感じに泡立ってきたかと思うと途中から濃いクリーム状になって終盤が乾燥気味で泡が少なくなったり。急にサラサラ泡になってどんどん消えて行ったり。
気になってネットで色々調べてみると石けんの溶けた量と水の量のバランス、溶けやすい脂肪酸と溶けにくい脂肪酸がある、など当初予想していたよりもデリケートで複雑な問題があるようでした。
水の温度も最近は気温が上がってぬるくなっているので冬の冷たい水とは結果が変わるかも?と思ったり。
まあ、そういう諸々を考えながらそれぞれを数回づつ、何度も繰り返してひたすら泡だて続け、一番泡立った状態を採用しています。
1日目
さて、青い鳥石けんの初テストです。右の2つがオイル添加で、それぞれ1回目、2回目の泡の様子です。
私の青い鳥石けんの泡立ち予想は、右側ののオイル添加が泡立ちにくい 、でした。
実際は逆になってる。あれれ??
・・まあ、最初の方は水の含み具合や表面に残ったオイルやらで正確ではないかも。
まだ軽くウォームアップだしね、と内心で思いつつ。
ここからはいつもの条件
石けんと両手を蛇口の下でよく濡らし、長辺を手のひらに当てて20回転、
短辺を当てて10回転。両手で挟んでくるくるさせて泡だてます。
両手についた泡を素早くできるだけ集めて石けんに乗せて撮影。
次の石けんに移る前に両手はしっかり流水で洗います。(タオルで拭くのは省略)
で、何度か繰り返して一番泡立った写真を採用しました。
まず、青い鳥石けんと全く同じレシピの夜桜、同じようにオイルを添加したお月見も一緒に比べてみます。(具材レシピは異なります。お月見レシピも別)
青い鳥はどちらもあまり差がないようです。夜桜も結構豊富な泡立ち。お月見は少し泡の量が少ないような。誤差も多少ありますがこの4つは「頑張れば運がいいと泡立つ、泡は消えやすく盛り上がるより垂れて横に広がりやすい、さらっとタイプの泡」でした。
野ウサギは上の4つと似ていて少し水っぽくて広がりやすい泡です。
中央のウサギ部分がオリーブ配合違いの実験でできたサンプル石けんの再利用(数種を混ぜました)なので少し泡立ち性能は落ちるかもしれませんね。
団子はもう少し固めのしっかりした泡になります。
桜もさらにしっかりしたもっちりタイプの泡です。
ベアーは泡が薄赤くなり、よく見たら石けんの白い部分も全体にうっすら赤くなっていました。Coral micaかRed micaが色にじみしたみたいです。(Coral mica は春に廃盤になったらしい・・)
泡はしっかりもっちりの盛り上がるタイプ。
レモン(ラベンダー&カレンデュラと同じレシピ)は安定の泡立ち。最初ぶくぶくと大きな泡でだんだんきめ細かいクリーム状になるけれど泡持ちがよくもっちりした盛り上がるタイプ。
カットに失敗して少し大きめになったものを使っているので他よりも若干泡量が多くなっていると思います。
↓泡量が少ない(消えやすい)方から順に行ったので、差がより一層はっきりしています。
2日目
翌日、今度は今までやった事がなかったお湯で同様に試してみました。
やり始めは石けん表面が溶けすぎたのか、どれも水っぽく泡立ちが悪くなってしまったのには驚きました。
お湯を使うと、もっとブクブクと泡立つものとばかり思っていたので意外な結果に、
???となりましたが、何度も試すうちに水の量は多すぎても少なすぎてもダメなのだ、とだんだんわかってきました。
すぐ消えてしまう泡を素早く撮影するために、初めてスマホ台(手製)を使いました。
手についた泡を集めている間にもどんどん消えて泡の状態が変わるものがあるので、集める前の手の写真も撮ってみました。ペア写真のそれぞれ右側、右向きのトリはオイル添加したもの。左向きがナシ。
青い鳥石けんのオイル添加は、何度も繰り返すとあまり差がないようでした。
スマホ台の効果は抜群でセット直後のとんがり泡がうまく撮れました。
泡はその後すぐにだらんと広がっていき、じきに低く平らになります。
では、その他の石けんの様子を。
泡立ちにくかった夜桜もなんどもトライしてとんがり泡出現。(すぐしぼむけど)
左側は時たま起こる、貧弱な泡の状態。
お月見石けんも繰り返すとなんとかツノが。
バックのテスト済みの泡にもご注目を。
こちらはこんもりした山になりました。
同じようにしているつもりなのにこの泡の量の差。
量が少なくてもしっかりした盛り上がる泡です。
今日は桜石けんの泡立ちがイマイチでした。あまり苦労しなくてもそこそこ泡立つはずなのですが。野ウサギ石けんはツノを立てるには少し努力が必要。カリフォルニアベアーはしっかり尖った泡立ち。レモンはいつものボリュームのある泡立ちでした。
↓開始前と終了後の石けんたち。手前から行ったのと、泡の性質もあり、青い鳥石けんの泡は見る影もなくしぼんでいます。
お湯を使うと手がふやけるのが早く、4周するあたりで限界でした。
石けんかすは相変わらずしっかりとつき、手の甲は真っ白になりました。
泡立ちテストも3日目。泡だて方や泡の具合の比べ方、写真の撮り方など、だいぶ手馴れてきました。
レシピを考える時は、どういう泡立ちで、溶けやすさ、固さはどのぐらいで、などの性能面と、こういう色形にしたいから、この作り方にしよう。そうすると生地を固まりやすくさせるための配合で、など使用感とデザインの両方を考慮します。
けれども完成した石けんを実際に泡立てると、予想とは裏腹にあまり泡立たないものになっていたり、その逆もあったりで違和感を感じ始めました。泡立ちをよくしようとココナツオイル、パーム核オイルの割合を増やしても、結果がその通りになっていないような。
気のせいかな、それとも他に何か理由があるのか?
データもだいぶ溜まったことだし、何かカギが見つかるかも・・・
そこで、これまでの石けんをオイルの種類ごとの割合でグラフ化し、泡立ち具合と比べてみることにしました。
石けん名は文字数が多いものは簡素化しています。色分けはいつもの通り。
青がオリーブオイルなどオレイン酸、リノール酸などが豊富な植物性油。
赤が泡立ちに関係するココナツオイル、パーム核オイル、ミリスチン酸など。
黄緑は石けんの固さを出すラード。(パームオイルも)
薄青緑は同じく固さを出すために使うシアバター、ココアバター 、ステアリン酸など。
薄紫は泡持ちをよくするために入れるひまし油。
これで、大まかに赤い部分の量で比べよう、という目論見です。
全く同じレシピのものもあれば、微妙に変えてあるものもあります。それとカップケーキ型は形が違うため、比較の対象からは外しました。
泡立ちに関係する赤色部分の割合が多い順に並べています。この通りになるか・・
↑上が私の独断での順位に並べた1位〜7位。↓下はグラフ順に並べた1位〜7位のもの。
夜桜石けんがエントリーしたこの時点でこのグラフ通りに当てはまらないような。
以下は私の独断の8位〜
しっかりした持ちのよい泡立ちのものを選びがちでしたが、すぐ消えても泡は泡だなと思い直して全体的な泡量で決めました。
ベアー、団子、アボカドが健闘していますが、逆に青い鳥、夜桜、キャラメルバニラはもっと泡立つはずでは??(以前のテストの写真ではもっと泡立っていたかも)
テキサス、マカデミアはいつも控えめな泡立ちですが、グラフによると順当なようですね。
トップ集団、ラスト集団はだいたい当たっている感じ。
中くらいは運が良ければよく泡立つタイプが多いので順位を決めづらいところです。
全体的に見ると、「当たらずとも遠からず」といった所でしょうか。
グラフを更に詳しく、オイルの種類から脂肪酸組成に変換したものを作ってみました。
その他にはひまし油の主成分リシノレイン酸の他のものも多少含まれています。
こちらも先ほどのグラフと似たものになりました。そんなに順番は変わらないようです。
こうしてグラフ化されると一目瞭然。
色々バラエティー豊富なレシピに作ったつもりですが、成分はどれも似通っています。
作成過程で石けんシミュレーターの六角グラフで確認しながら作るのである意味なるべくしてそうなってしまっているのかも。(uki uki せっけんライフ様にレシピ、グラフ作成でいつもお世話になっています。ありがとうございます!)
これではあまり差がわからないのも無理ないですね。
でも、「泡立ち量」だけでなく、泡持ち、きめ細かさ、軽さなども点数化したとしたら。
きっとまた違った結果になるような気がしました。